小泉八雲の別名ラフカディオ・ハーン。

小泉八雲は、日本の怪談や民話を世界に広めた著名な作家です。

しかし、彼の本名はパトリック・ラフカディオ・ハーン。1850年にギリシャのレフカダ島で生まれた彼は、アイルランド人の父親とギリシャ人の母親を持ち、幼少期にアイルランドのダブリンへ移住し、厳格なカトリック教育を受けます。

16歳で事故により左目を失明した後、アメリカに渡りジャーナリストとして活躍を始めました。

小泉八雲とラフカディオ・ハーンってどんな関係? 八雲と日本と怪談のふか~いお話と「茶碗の中」「ろくろ首」

日本とラフカディオ・ハーン。

彼の日本への興味は深く、最終的には日本に住むことを決意しました。

日本の文化に魅了された彼は、多くの日本に関する書籍を著しました。その中でも、彼が日本に住んでいた時期に使っていた名前が「小泉八雲」です。

日本で活動する際、日本人女性と結婚し、妻の姓である「小泉」を名乗ることになり、さらに日本文化に合わせて「八雲」と名乗ったのです。このように、小泉八雲は日本文化への深い愛情を示し、自らを日本に溶け込ませました。

『茶碗の中』:奇妙な物語。

小泉八雲の作品の中で、特に興味深いのが「茶碗の中」という話です。物語の舞台は昔の日本。ある若い侍が茶を飲もうとした際、茶碗の中に自分ではない若い侍の顔が浮かんでいるのを見つけます。この顔は生きているかのように動き、侍は驚きながらもその茶を飲み干します。

その日の夕方、侍は見知らぬ侍に出会います。自分を「式部平内」と名乗るその侍の顔が、茶碗の中で見た顔と同じであったため、侍は攻撃しますが、その侍は壁を通り抜けて消えてしまいます。物語はここで途切れており、その結末は読者の想像に委ねられています。この未完の物語は、奇妙な読後感を残します。

『ろくろ首』:妖怪との遭遇。


次に紹介するのは、「ろくろ首」の話です。この物語では、九州の菊池家に仕えていた侍、磯貝平太左衛門武連が主人公です。菊池家が滅びた後、武連は僧侶となり「かいりょう」という名前で諸国を旅します。ある日、甲斐の国の山奥で木こりに出会い、その家に宿泊します。

夜中に水を飲もうとした際、家の中で寝ている人たちの首がないのを発見します。実はその家の人たちは「ろくろ首」という妖怪だったのです。かいりょうはその首を別の場所に移し、ろくろ首たちが戻れないようにしますが、首だけが飛んできてかいりょうを襲います。かいりょうは若木を武器にして撃退します。

その後、かいりょうはその首を持って諏訪に行くものの、町の人たちに捕まり、犯罪者として扱われます。最終的には裁判でその首がろくろ首のものであると証明され、無罪放免となります。しかし、首は盗賊に売られ、盗賊もまたろくろ首の祟りを恐れて、首を元の場所に埋めることになります。この塚は現在「ろくろ首の塚」として知られています。

小泉八雲ゆかりの観光地

小泉八雲に関する観光地は、島根県松江市に多く存在します。まずは「小泉八雲旧居」。ここは八雲が松江で暮らしていた家で、多くの作品がここで書かれました。庭もそのまま残っており、当時の雰囲気を感じることができます。

次に「小泉八雲記念館」。旧居の隣に位置し、八雲に関する資料が展示されています。直筆原稿や愛用の品々も見ることができ、八雲の生活を垣間見ることができます。

また「塩見縄手(しおみなわて)」は松江城の北側にあり、武家屋敷や長屋門が並んでいます。ここには小泉八雲旧居や記念館もあり、散策するのにぴったりの場所です。その他にも、城山稲荷神社や松江大橋、龍昌寺(りゅうしょうじ)など、小泉八雲に関連する場所が多くあります。

まとめ

小泉八雲の作品には、日本の怪談や民話が深く息づいています。

彼の作品は日本の美しさや不思議さを伝えるだけでなく、日本文化に対する深い愛情を感じさせます。

島根県松江市には、彼に関連する多くの観光地があり、訪れることでその文化と歴史をより深く理解することができるでしょう。

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